自由と航海は似ている

何にも囚われず、何にも縛られず

己の信じた方へ向かう

針路が示すその先へ


例えどんな後悔(航海)があろうとも

この水平線は続いている

後戻りはできぬと、

自分の航路(みち)を往けと、

海はそう言っている


母なる海は、旅する我等海の子を

見守っている

しかしそれは、時に無情で

時に無慈悲なものである


母なる海は、時として我らに牙を剥き

運命を狂わせ

何もかもを奪い、去って行く

哀しみに暮れ涙した子らよ

その涙もまた海となるであろう


そこで潰えてはならぬ

立ち向かえ、運命に

抗いたまえ、宿命に


我等は海賊、我等は海の子

帰る場処がなくてもいい

いつか海へ還るなら


母なる海の、海のゆりかご

その漣と潮騒が

我等の心を鎮める子守唄


いつか業を果たしたその時に

それが我等海賊の、海の子の

受け入れるべき運命だというのなら

この慈悲深くも無慈悲な母に抱かれて

身を委ねて眠れ



【母なる海】

海は皆の母のように優しく時に恐ろしい。
海賊たちは、最期はどうかこの「母」に抱かれたいと願うのだった。