果てのない世界を包み込む

母なる大海原

その航路(みち)を往く

儚き子等へ

潮騒の子守唄

風に乗せて届け


眠れない赤子には

歌ってあげよう

海の奥底まで夢を

見られるように


愛が満ち溢れる



静寂に包まれた世界

母なる大海原

針路(はり)が指す先が

見えないのなら

人魚の賛美歌で

前に導いて


泣いている赤子を

抱いてあげよう

安らかなぬくもり胸に

感じるように


愛で満ち溢れる



嗚呼

母なる海よ

我へ慈しみを

寂しさを

忘れさせてくれる


母なる海よ

我は孤独さえも

愛せる

貴女が世界を包み込む限り

ここは安らかなる海

海のゆりかご



【海のゆりかご】

海に棲む孤独な亡霊は本当は寂しいのかもしれない。
愛というものを知りたかった。しかし母なる海に永遠に抱かれて愛というものを知るだろう。