野に咲く花は名も解らないけれど
雨に打たれ風に晒されても負けることはなく
乾く土に息吹く新芽は蕾となり花を咲かせる
忘れられたとしても
薔薇は紅く染まり林檎は果実と成った
実り咲けよ、この世を覆え
芳しき色彩(いろ)の華で
茨小径(こみち)歩いてゆく
光を浴びて育つ子供たち
花も同じ育まれゆく時を渡っている
遠い国の荒れた大地に種をまいて強く生きる
例え独りだとしても
鳥は大空を舞い蝶は蜜を求める
自然の摂理、抗うことなく
いつかは知る運命(さだめ)の中で
それに向かい歩んでいく
この世界に咲かぬ花などない
実をつけない果実などない
儚く終わって逝く運命だけれど
野花(はな)は散れど美しい
忘れられたとしても…